健診結果の説明
活かせてますか?健診結果。
健診・人間ドックは、早期に疾患を見つけるために受けるものです。
せっかく受検しても自覚症状がないからと放置したり、その内容がよく理解できずうまく活用できていない方が数多くいらっしゃいます。
そこで簡単に健診項目について説明します。
採血、尿項目
血液・尿を調べます。肝臓や腎臓の機能が正常であるか、脂質や糖質が正常であるか等を調べます。これらに異常が発見されると病気につながる可能性があります。
AST (GOT)、ALT (GPT)、γGTP、 ALP
肝機能検査と呼ばれるもので異常の場合、慢性肝炎(B型、C型他)、肝硬変、脂肪肝、薬剤性肝障害などが疑われます。またAST(GOT)のみの異常は他の臓器の疾患の可能性もあります。採血、超音波検査等で原因を検索する必要があります。
HBs抗原 (HBsAg)、HCV抗体 (HCV-Ab)
ウイルス性肝炎のうちそれぞれB型肝炎、C型肝炎ウイルスに関連する項目で、陽性の場合ウイルスの存在が疑われます。放置すると肝硬変、肝癌につながる可能性があり詳しい評価、適切な治療が必要です。B型肝炎、C型肝炎の治療には公費補助制度があります。まずは受診の上評価を受けて下さい。
コレステロール (LDL、HDL)、中性脂肪(TG)
脂質異常症とよばれ、異常の場合は動脈硬化の進行、狭心症・心筋梗塞や脳梗塞につながる他、中性脂肪の高値は膵炎につながることもあります。頸動脈超音波検査による動脈硬化の評価に加えて、生活習慣の改善や程度によっては薬物治療が必要となる場合もあります。
アミラーゼ
膵臓、唾液腺の炎症などと関連があり、詳しい採血、腹部超音波検査等が必要です。
クレアチニン (Cre)、尿素窒素 (BUN)、尿酸 (UA) 、eGFR
腎機能検査に含まれるもので原因(高血圧、脂質異常症、糖尿病、高尿酸血症、腎炎、薬剤性、脱水等)を検索する必要があります。尿酸は痛風発作が有名ですが腎機能悪化の原因となることもあり、無症状でもしっかりとした管理が必要です。
空腹時血糖値 (FPG)、HbA1c
糖尿病に関連する項目で、生活習慣の改善が必要で、程度によっては薬物治療が必要です。ほとんどの場合自覚症状がないため放置しがちですが、合併症(眼、腎臓、末梢神経障害等)を伴うこともあり早急に評価が必要です。
赤血球数、ヘモグロビン (Hb)、ヘマトクリット (Ht)
低値の場合貧血を意味し、原因を精査する必要があります。悪性腫瘍等に関連する場合もあり評価が必要です。高値の場合多血症の可能性があり、喫煙等も関連する場合があります。
血小板数
低値の場合は血液疾患の他、肝疾患、薬剤性等の可能性があります。高値の場合は血液疾患の他、反応性とよばれる様々な疾患の影響が考えられ評価が必要です。
白血球数、CRP
炎症に関連する項目です。様々な原因で異常を示すことがあり評価が必要です。
尿潜血、尿蛋白
尿潜血 / 尿蛋白が陽性でも異常が無い場合もありますが、腎炎等内科的疾患の他、泌尿器科的疾患の可能性もあります。尿沈渣、尿細胞診検査の他、泌尿器科受診も検討すべきです。
高血圧
血圧が高い状態で、放置すると心・血管系に影響を及ぼします。また血糖の高い方、尿蛋白陽性の方等はより厳格なコントロールが必要です。放置せずに早めに対応を考えましょう。
胸部X線検査
肺、心臓を主に評価する検査です。異常陰影がある場合CT.検査等での精査が必要で、肺気腫が疑われる場合は呼吸機能検査も必要です。
腹部超音波検査
肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓を主に調べる検査です。 要精査の場合は医療機関を受診してください。
心電図検査 (ECG)
不整脈、心筋障害等を調べる項目で、異常がある場合は 原因、重症度の評価が必要です。
上部消化管造影検査 (バリウム検査:UGI)
食道、胃、十二指腸を調べる検査です。異常がある場合は内視鏡検査が必要です。
便潜血検査 (便Hb検査)
便に血が混じっている場合陽性となります。
痔核の可能性もありますが大腸ポリープ、大腸癌等の可能性もあります。
痔核と思って放置せずに必ず内視鏡検査を受けて下さい。